Excel技術に関して、有益そうな情報を共有させていただきます。

【HLOOKUPのご紹介】
新機能のXLOOKUPの紹介をしようと思った際、事前に従来のLOOKUP関数についておさらいできた方がいいなと思い、
HLOOKUPについて投稿しました。

■環境
365版またはパッケージ版(Office2007以降)のOfficeを使用できる環境

■概要
HLOOKUP関数とは、Excelの表から、特定の情報を検索条件に、対応する戻り値を取り出すことができる関数です。
例えば、社員の名前を入力したら、その人の部署名を取り出せる、といった具合です。
特にHLOOKUP関数は、「行」を参照して、対応する値を取り出すという特徴があります。HLOOKUPの"H"はHorizon(横方向)という意味を持ちます。
※VLOOKUP関数は「列」を参照するLOOKUPです。
VLOOKUP関数についてはこちらをどうぞ
https://www.miraclejob.com/recommend/detail?cd=2441

■引数

=VLOOKUP(検索値,検索範囲,行番号,検索の型)
下図は、HLOOKUPで「名前」から「部署」を取り出す設定です。

・検索値＝田中太郎(検索する際に起点となるセル。この例では、K4の田中太郎を参照してK5に結果を出したいので、K4を指定する)

・検索範囲＝「名前」行より下の行すべて。
 ※HLOOKUPでは、検索範囲の一番上の行が検索条件になります。3行目を含めてしまうと、「項番」から「部署」を取り出す設定になってしまいます。なので「名前」から「部署」を検索する場合は、「名前」から下の行を検索範囲にします。
・行番号＝取り出したい値がどの行にあるかを指定する。
 指定の仕方は、設定した検索範囲の1行目（一番上の行）から何番目の行かを番号で指定します。
 下図であれば「部署」行を取り出したいので、「名前」行から2番目。よって2を指定。
・検索の型＝近似値検索(TRUE)か絶対値検索(FALSE)かを指定します。今回は絶対値検索するのでFALSEを設定。

 ※近似値で設定すると、検索値を超えない最大値を、一致する値(近似一致)とみなします。検索の型を指定しない場合、デフォルトで近似値(TRUE)に設定されます。

今回のように、数値でなく文字列を取り出したい場合、近似値で設定すると結果がズレてしまうことがあるので、絶対値(FALSE)で設定します。

これで、K4の名前が山元浩紀になると、連動してK5の部署が「営業」に変わります。

■注意点
<検索範囲の一番上の行が検索条件になる>
「名前」から「部署」を取り出す場合、検索範囲として指定するのは「名前」から下の行になります。
検索範囲に「項番」を含めてしまうと「項番」を条件に「部署」を取り出す設定になります。

<指定範囲より上にある値は取り出すことができない>
HLOOKUPでは、取り出したい値を、「行番号」で指定します。「行番号」は、「指定した範囲からいくつ下か」で表記するので、指定した範囲の一番上の行より更に上にある値については、取り出すことができません。
この例では、「名前」が指定範囲の一番上になるので、それより上にある「項番」を取り出すことはできません。
「名前」から「項番」を取り出すには、項番の行（3行目）を「名前」行より下に移動させる必要があります。

<データが追加されていく場合は検索範囲を広げる必要がある>
実務で使用する場合、HLOOKUPで検索範囲を指定した後も、データが増えていくことが考えられます。
新しく入力されたデータが検索範囲外だと、HLOOKUPで取り出せないため、検索範囲を決めるときは、事前にデータが増えることを想定して設定するとよいかもしれません。

以上です。

また、2020年に登場したXLOOKUPの紹介はこちらになりますのでご参考までにどうぞ。

https://www.miraclejob.com/recommend/detail?cd=2439