前回はSTPの動作を紹介しました。
簡単におさらいすると、【1.ルートブリッジの選出 2.ルートポートの選出 3.指定ポートの選出 4.非指定ポートの選出】といった流れで形成していきます。
今回解説するコンバージェンスまでの流れは、前回の流れに似ているかもしれません。
コンバージェンスとは、収束するという意味があります。STPはルートブリッジの選出から非指定ポートの選出までBPDUというフレームがネットワーク中を巡ります。この選出全てが終わり、安定化する事を指します。
コンバージェンスの流れとして、ルートブリッジの選出以外にもポートの状態が変化していきます。各状態として、【ブロッキング・リスニング・ラーニング・フォワーディング】が存在します。まずは各ステータスから解説していきます。
・ブロッキング
全てのポートはブロッキングの状態から始まります。フォワーディングから始まってしまうとループ構成のネットワークはループしてしまいます。そのため、ブロッキングの状態から始め、BPDUのみ受信する状態にします。この状態の場合はデータの受信しません。
・リスニング
BPDUを送受信しあい、ルートブリッジの選出から指定ポートの選出を行います。この段階でもデータの受信を行いません。
・ラーニング
BPDUを送受信しあい、非指定ポートになった瞬間にブロッキングします。
・フォワーディング
ルートポートから指定ポートまで全て選出完了した状態。この状態でデータの送受信をすることができます。
この一連の流れはスイッチを起動した時だけ行うかというと、そうではありません。なぜなら何かの理由でスイッチが障害で止まってしまうこともあるからです。実は、コンバージェンスになった後もルートブリッジは他のスイッチに向かってBPDUを流し続けています。このBPDUを20秒間受信しなくなる、つまりスイッチに障害が起きた際は、STPの再計算を行います。再度選出を行うことで、新しくSTPを形成し通常通り通信を行うことができます。
今回はSTPのコンバージェンスまでの流れについて紹介しました。ループ構成でループから守るだけでなく、どこかで障害が起きても自動でSTP再構成することができるのが良いところです。止まることが許されないネットワークだからこそ、知っておくべき内容かと思います。
参考URL