前回はSTPの紹介をしました。
簡単におさらいをすると、スイッチ同士を繋ぎ合わせたループ構成で、データがループするブロードキャストストームを抑えるプロトコルです。
今回はこのSTPがどのようにしてループを抑えるかを紹介します。流れを説明する前に一部必須となる単語から解説していきます。
・ブリッジID
スイッチを識別するID。このIDが一番小さいスイッチがルートブリッジに選出される。
・パスコスト
ルートブリッジにたどり着くまでのコスト。小さければ小さいほど、ルートブリッジまでの距離が近い。
この2つがSTPを紹介する上で必要です。ではここからSTPの動作について紹介します。
1.ルートブリッジの選出を行う
ツリー構成するために中心となるスイッチを決めます。各スイッチからBPDUを送信し、ブリッジIDが一番小さいスイッチをルートブリッジとします。ブリッジIDが一緒の場合、MACアドレスを比較して、小さい方をルートブリッジに選出します。
2.ルートポートの選出を行う
ルートポートとは、ルートブリッジに近いポートです。少し細かく書くと、ルートブリッジにたどり着くルートパスコストが一番小さいポートがルートポートです。ルートポートからBPDUを送信し、かかったパスコストから計算することで、選出を行います。
3.指定ポートの選定を行う
指定ポートとは、各セグメントで一番ルートブリッジに近いポートです。各リンクに必ず指定ポートを1つ選出し、最も小さいパスコストのルートポートを持つスイッチ側のポートを選定します。
4.非指定ポートの選定を行う
ルートポートや指定ポートにも選ばれなかったポートを非指定ポートにします。このポートはブロッキング状態になるので、通信を通しません。そのため、ループすることがなくなり、通常通り通信を行うことができます。
今回はSTPの動きについて紹介しました。次回はSTPのコンバージェンスの流れなどを紹介します。
参考URL