今回はデータリンク層の役割と機能 1.イーサネットのCSMA/CDについて紹介します。
役割
データリンクは通信回線を指し、データリンク層では通信回線を経由して、隣接ノードと正しく通信するためのルールが取り決められています。
機能
物理層のハブの動作と違い、目指す相手だけがデータを受信して処理してくれるようなルールが取り決められています。
送信中にデータが変化していないかをチェックするためのルールも取り決めています。
イーサネット
データリンク層の代表的なプロトコルです。
IEEEによって規格化され、データリンク層のプロトコルに分類されますが、ケーブルの種類、コネクタの形状、通信速度といった物理層についての規格も取り決めています。
現在のLANのほとんどがイーサネットで構築されています。
CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection)
初期のイーサネットは、1本の同軸ケーブルに複数のコンピュータを接続するバス型トポロジーで、CSMA/CDという制御方式を使用していました。
信号送出の流れ
1. ケーブルの空きを確認
まずデータを送ろうとするノードがケーブル上に信号が流れていないかを確認します(Carrier Sense:キャリア検知)。塞がっていれば、しばらく待って再度確認し、回線が空くまでこれを繰り返します。
2. データを送出
回線が空いていることを確認できたノードは、データを送出することができます。
3. 衝突を検出
空きを確認してからデータを送信しても、ほかのノードが同時に信号を送出してしまうことがあります(Multiple Access :多重アクセス)。1本のケーブルに接続されたネットワークですから、同時に送出された信号はケーブル上でぶつかってしまします。これを衝突(コンリジョン)といいます。衝突が起こると、電気信号が壊れ、異常な信号が発生します。いずれかのノードがこの信号を検出(Collision Detection:衝突検出)すると、すべてのノードに衝突を知らせるジャム信号を送ります。データを送信しようとしていたノードはジャム信号を受信するとデータの送信に失敗したと判断し、しばらく待って、改めて送信の手続きを開始します。
*CSMA/CDは効率が悪いため、現在ではあまり使用されていません。
今回はデータリンク層の役割と機能 1.イーサネットのCSMA/CDについて紹介しました。
次回はデータリンク層の役割と機能 2.イーサネットの規格について紹介させていただきます。