現在、人工知能である生成AIを使用し、地震のメカニズムを迅速に特定、余震規模を高精度に推計する研究に乗り出されています。
防災情報を素早く発信できるようにし、巨大地震の引き金になる未知の地震現象の解明などにも繋げられるとのことです。
地震についてのデータは、震源や規模だけでなく断層の動き方や揺れの伝わり方、速さなど膨大にあります。
これまで、地震のメカニズムや余震の見通しなどを詳細につかむために、観測値と気象庁職員の方々の分析を組み合わせる必要があり、1週間以上の時間かかっていましたが、
このデータ解析を生成AIに一部担わせることで、地震発生から1日で分析を終える技術の実現を目指しているとのことです。
過去に観測されたマグニチュード8~9級の巨大地震のデータなどを生成AIにあらかじめ学習させることにより、分析精度を上げ、
余震の場合、何日間どれほどの大きさに注意すべきかなど、より詳細な注意喚起を迅速に発信できるようにすることを目指しています。
さらに、生成AIの基盤技術である大規模言語モデル(LLM)も活用し、
古文書などに記述されている地震に関する文字情報を分析することにより、
近代的な観測が始まる前に発生し、文献にしか記録がない「歴史地震」を学習することで、過去の地震の解明に繋げていくことも視野に入れられています。
紙に記録された昔のデータと、最新の観測技術を組み合わせることにより、新たな現象の発見に繋がるかもしれません。
人の目では掴みきれていなかった現象も、生成AIでは地震の兆候として把握できる可能性があるのです。