「AIが開発を自動化してくれる」 そんな夢のような話をよく耳にします。
でも、実際に触ってみると「設定が複雑すぎる」「結局レビューは人がやるんでしょ?」という印象を持つ人も多いはずです。
そんな中で注目を集めているのが、「Miyabi」というフレームワークです。
これは、キャラクター(エージェント)を呼び出してコーディングを進めるといった、ちょっと変わったAI開発基盤となっています。
Miyabiとは?
Miyabiは、複数のAIエージェントがチームのように協力して、
Issueの作成からコード生成、レビュー、PR、デプロイまで を自動化してくれる仕組みです。
たとえば、GitHubのIssueを立てると、「設計担当」「レビュー担当」「テスト担当」といったキャラが次々と登場し、
自動でタスクを分担しながら開発を進めてくれます。
開発現場では、役割分担とコミュニケーションが非常に重要です。
Miyabiはこの点をうまく抽象化し、21体のエージェントキャラを用意しています。
たとえば
「設計子(せっけいこ)」:Issueの内容を整理して設計図をまとめる
「つくるん」:実際にコードを書いてPRを作成する
「めだまん」:レビューを行い、問題がなければマージ
このように、開発を人間のチームプレイに見立てた設計になっているのが面白いところです。
MiyabiはRustで書かれた単一バイナリとして提供され、
GitHubのAPIを通じてIssueやPR、Actionsを自動で操作します。
主な特徴は以下の通りです。
完全自動化された開発サイクル
1コマンドで Issue → PR → レビュー → デプロイまで完結。
高い拡張性と透明性
ラベル・ステータス管理が整っており、何がどう進んでいるかが常に見える。
Rustによる軽量・高速実行
Node.jsなどを使わず、単体で動くため動作が安定している。
実際、プロジェクトによっては開発時間が70%以上短縮できたという報告もあります。
Miyabiは「人の判断をAIが完全に置き換える」ものではありません。
むしろ、
「AIに単純作業を任せて、人は考える部分に集中する」
という発想で使うと真価を発揮します。
もちろん、魔法のように全てが解決するわけではありません。
以下のような点には注意が必要です。
社内ルールやレビュー基準をきちんと定義しておくこと
どのタスクをAIに任せ、どこを人が見るかを明確にすること
Rustの知識やGitHub連携の理解が必要になること
Miyabiは「AIがチームメンバーになる」ような、未来を先取りした仕組みです。
その背後には、「開発を速くする」だけでなく
人間が「考える余白」を取り戻すための自動化
という思想が見えます。
今後、こうしたAIエージェント型の開発支援ツールは増えていくでしょう。
小さなプロジェクトで試してみて、「どこまで人が介入すべきか」「どこまでAIに任せられるか」を考えてみるのも面白いかな?と思いました。