近年、電話を使った詐欺が増加し、特に高齢者の被害が目立っています。こうした状況を受け、AI(人工知能)を活用して詐欺電話を見抜く「電話詐欺検知AI」の開発が進行中です。
この技術は、通話内容や話し方を分析し、詐欺によく見られるキーワードや言い回しを検出して危険な電話を判定します。また、怪しい通話を検知した際には、スマホや固定電話に警告を表示する仕組みも導入されています。
日本では、富士通や大学、自治体が連携し、高齢者宅にセンサーを設置して心理的な変化から詐欺を察知する実証実験を実施。約82%という高い精度で詐欺の可能性を見分けることに成功しました。さらに、NTT東日本などもAIを活用した対策システムの運用を始めています。
海外でも、AIで詐欺電話やスパムを自動的にブロックするアプリやスマートフォン機能が登場し、被害防止への効果が期待されています。
一方で、音声データの扱いに関するプライバシーの問題や、偽音声(ディープフェイク)への対応など、課題も残されています。それでも、電話詐欺検知AIはすでに実験段階から実用化へと進んでおり、今後さらなる発展が見込まれる技術です。
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