MiracleJobLogo
エンジニアのエンジニアによるエンジニアのためのサイト
News 07/25 おすすめ情報に 『 【案件】Azure AD関連の認証設計/azureの基本設計 』 を追加しました。
会員登録するとキャリア診断やサイトに参加することができます。
あなたにおすすめな技術情報、資格、仕事などをお知らせします。

無料会員登録


パスワードを忘れた場合
LINEで送る
MiracleJobBanaLeft1
MiracleJobBanaLeft2


MITが発表するSEALと「破滅的忘却」
profile-img
投稿者: signalさん
投稿日:2025/06/23 17:53
更新日:
like-img
分類
技術
テクノロジー
全般
キャリア
構築 / 設計
投稿内容

AIが自分で勉強して賢くなる技術「SEAL」がすごすぎる件

こんにちは!今回は、AIの世界でまた革新的な技術が登場したので、解説していきます。

SEALって何?自分で学習するAIフレームワーク

マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが開発した「Self-Adapting Language Models(SEAL)」という技術が話題になっています。

簡単に言うと、AIが新しい情報に出会ったときに、自分でその情報を学習用データに変換して、自分自身を強化学習で鍛えるという画期的なシステムです。

従来のAIって、人間が用意したデータセットで学習して、それで終わりというパターンが多かったんですよね。でもSEALは違います。新しい情報を与えられると、AIが自分で「この情報をどう活用すれば自分が賢くなれるか」を考えて、勝手に学習を始めるんです。

「自己編集」というプロセスが核心

SEALの面白いところは「自己編集(Self-Edit)」というプロセスにあります。

AIモデルは新しい入力を受け取ると:

  • 情報を様々な方法で再構成する
  • 最適化パラメータを自分で指定する
  • データ拡張や勾配ベースの更新を実施する

これらを通じて、独自の微調整データと最適化指示を構築するんです。つまり、AIが自分専用の「問題集と解答」を作って、それで自分を鍛えるイメージですね。

さらに、強化学習にはGoogle DeepMindなどが開発した「ReST^{EM}」というアルゴリズムを採用。複数パターンの強化学習を試して、最もパフォーマンスが高いものを採用するという、かなり洗練されたアプローチを取っています。

GPT-4を超えた瞬間

研究チームは、Alibabaが開発した言語モデル「Qwen2.5-7B」にSEALを適用して実験を行いました。

結果は驚くべきもので、

  • 初期状態では、SEAL適用Qwen2.5-7B(赤線)GPT-4.1(緑線)より性能が低かった
  • しかし、わずか2回の自己学習を経て、GPT-4.1を超えることに成功


これって本当にすごいことで、従来のAIは人間が大量のデータを用意して長時間かけて学習させる必要があったのに、SEALなら自分で効率的に学習して短期間で性能向上を実現できるということです。

「壊滅的な忘却」という落とし穴

ただし、SEALにも課題があります。それが「壊滅的な忘却」という現象です。

実験では、自己学習を繰り返すうちに「以前はできていたタスクができなくなる」という問題が発生しました。新しいことを学習する過程で、古い知識を忘れてしまうんですね。

これは人間でも経験があることかもしれません。新しいスキルを身につけようと集中していたら、以前できていたことを忘れてしまった、みたいな。

研究チームは、この忘却を防いで知識を保持するメカニズムの開発が今後の課題だと指摘しています。

今後の展望:AIの自律学習時代へ

SEALの登場は、AI開発のパラダイムシフトを示唆しています。従来の「人間がデータを用意してAIを学習させる」モデルから、「AIが自分で学習データを作って自己改善する」モデルへの転換です。

もちろん、壊滅的な忘却などの課題は残っていますが、これらが解決されれば

  • より効率的なAI開発が可能になる
  • 個別のタスクに特化したAIの自動生成
  • 継続的に進化し続けるAIシステム

といった未来が見えてきます。

個人的には、この技術がどこまで発展するのか、そして私たちの働き方や学習方法にどんな影響を与えるのか、とても興味深いです。
AIが自分ひとりで最強になる時代は、もうすぐそこまで来ているのかもしれませんね。


参考文献

コメント


MiracleJobBanaRight1
MiracleJobBanaRight2
MiracleJobBanaRight3