ユニキャスト・マルチキャスト・ブロードキャストについて
今回はネットワークの基礎としてとても重要な概念である、ユニキャスト・マルチキャスト・ブロードキャストについて、紹介いたします。
ユニキャスト
一対一のデバイス間で行われる通信。
送信者は宛先を指定する必要があり、宛先にはIPアドレス・MACアドレスが用いられる。送信者は、宛先を指定したデータパケットを作成し、送信する。このデータパケットには、送信元アドレス、宛先アドレス、データ、エラー検出などの情報が含まれる。
送信された、データパケットはネットワーク機器間(ルータなど)を伝送され、最終的に宛先の装置に到達する。この経路決定の仕組みを「ルーティング」と言う。
マルチキャスト
デバイス間の1対多通信。送信側がデータを送信する際、マルチキャストグループアドレスを指定することで、送信先のIPアドレスを指定する必要がないため、送信側がデータを送信する回数が減り、ネットワーク全体の負荷を軽減することができる上に、帯域幅の節約ができる。
IPマルチキャスト、Ethernetマルチキャストの2種類が存在する。
IPマルチキャスト
IPアドレスを用いてマルチキャストグループを形成して、そのグループ宛てにデータを送信する。そうすることでグループ内のホストにデータを配信することができる。IPマルチキャストアドレスの範囲は、244.0.0.0~239.255.255.255となっている。
IPマルチキャストを使用するには以下の3つが必要になる。
・マルチキャストアドレス
・マルチキャストルーター
・マルチキャスト対応のネットワークインターフェース
Ethernetマルチキャスト
上で紹介した、IPマルチキャストとは異なり、MACアドレスを用いてマルチキャストグループを形成する。そのグループに配信することでグループ内のホスト全員にデータを配信することができる。Ethernetマルチキャストアドレスは、01:00:5E開頭で割り当てられる。
Ethernetマルチキャストを使用するには、以下の2つが必要になる。
・マルチキャストMACアドレス
・マルチキャスト対応のネットワークインターフェース
ブロードキャスト
同じネットワークにいる全員に同じデータを送信すること。
ブロードキャストの範囲はブロードキャストドメインに限定されている。
ブロードキャストドメインとは、ネットワーク上の一連のデバイスで、ブロードキャストパケットがすべてのデバイスに送信される範囲。
ネットワーク上の機器を検出する際にブロードキャストが使用される。例として、ARP(Address Resolution Protocol)はIPアドレスとMACアドレスの対応関係を解決するために、ブロードキャストパケットを送信する。
今回はこれで以上となります。