今回はLinuxにて学習したシェルについてまとめたいと思います。
■シェルとは
ユーザからコンピュータに指示を出す間で、
通訳をしてくれるプログラムをシェルといいます。
シェルにはいくつもの種類があり、ユーザーは好みに応じてシェルを選択することが可能です。
代表的なシェルをいかに記載します。
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・Bourneシェル(sh)
・bash(Bourne Again Shell)
・Cシェル(csh)
・tcsh
・Kornシェル(ksh)
・Zシェル(zsh)
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BorneシェルはUNIXの標準的なシェルで、これを改良したものが
bashといいます。
bashは多くのLinuxディストリビュージョンにおいて標準シェルとなっています。
Cシェルは、C言語に似たスクリプトが利用できるシェルです。
Cシェルを拡張した
tcshもあり、LinuxでCシェルとして使われているのはtcshです。
Kornシェルは、Bourneシェルを拡張したものになります。
Kornシェルにbashやtcshの機能を取り入れた
zshという高機能シェルも存在します。
■シェルの基本操作
・補完機能
シェルの補完機能は、コマンドラインでの入力を支援し、入力ミスを軽減します。
例えば、Linuxprofessional.txtというファイル名を入力したい場合、
「linuxp」まで入力した状態で「Tabキー」を押すと、残りの部分が自動的に補完されます。
・カーソルの移動
コマンドラインが長くなると、修正するときにカーソルを行頭に移動させたり、
行末に移動させたりするのは面倒かと思います。
そんな時に、「Ctrlキー」を押しながら「Aキー」を押すと、カーソルが行頭に移動します。
また、「Ctrlキー」を押しながら「Eキー」を押すと、カーソルが行末に移動します。
・コマンドラインの編集
「Ctrlキー」を押しながら「Dキー」を押すと、カーソル部分の1文字を削除できます。
また、「Ctrlキー」を押しながら「Hキー」を押すと、カーソルの左側にある1文字を削除できます。
何らかの不具合で画面が乱れた時などは、「Ctrlキー」を押しながら「Lキー」を押すと、
いったん画面をクリアしてから、カレント行を再表示します。
・実行制御
プログラムやコマンドを実行中の時、「Ctrlキー」を押しながら「Cキー」を押すと、
処理状態を中断させることができます。
また、「Ctrlキー」を押しながら「Lキー」を押すと、処理を一時停止状態にすることができます。
「Ctrlキー」を押しながら「Sキー」を押すと、画面ロックしてキー操作を一切受け付けなくなります。
ロックを解除するには「Ctrlキー」を押しながら「Qキー」を押します。
上記について以下にまとめます。
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・[Tabキー] :コマンドディレクトリ名を補完する
・[Ctrl + Aキー]:行の先頭へカーソルを移動する
・[Ctrl + Eキー]:行の最後へカーソルを移動する
・[Ctrl + Dキー]:カーソル部分を1文字削除する、ログアウトする
・[Ctrl + Hキー]:カーソルの左を1文字削除する(Backspaceキーと同じ)
・[Ctrl + Lキー]:画面をクリアしてカレント行を再表示する
・[Ctrl + Cキー]:処理を中断する
・[Ctrl + Sキー]:画面への出力を停止する
・[Ctrl + Qキー]:画面への出力を再開する
・[Ctrl + Zキー]:処理を一時停止する
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・ディレクトリの指定
bashでは、ディレクトリを表す特殊記号(メタキャラクタ)を使うことができます。
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・[~] :ホームディレクトリ
・[.] :カレントディレクトリ
・[..] :1つ上のディレクトリ
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例えば、ユーザーがStudentであり、studentのホームディレクトリは「/home/student」、
カレントディレクトリが「/home/student/work/lpic」であるとします。
この時に、それぞれのメタキャラクタが表すディレクトリは以下になります。
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・[~] :/home/student
・[.] :/home/student/work/lpic
・[..] :/home/student/work
・[~/tmp]:/home/student/tmp
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■参考文献
・中島能和. "Linux教科書". LPICレベル1 Version5.0対応, 2022, 104-108