HSRPの概要
NWの可用性や冗長性を確保するために使用するプロトコルです。
複数のルータが同じグループに所属し、仮想IPアドレスを共有します。
この仮想IPアドレスを利用して、クライアントからのトラフィックを処理するアクティブルーターが選出されます。他のルータはスタンバイモードで待機し、アクティブルータが障害や故障した場合に自動的に役割を引き継ぎます。
※アクティブ・スタンバイ構成とも言います。
実際の企業NWでもかなり使用されているかと思われます。
HSRPの動作
HSRPグループ内のルータは、Hello Messageと呼ばれる制御メッセージを交換し、お互いに状態を監視し合います。アクティブルータは定期的にHello Messageを送信し、他のルーターが自身をアクティブルータとして認識するようにします。スタンバイルータはHello Messageを受信し、アクティブルータの可用性を監視します。
もしアクティブルータが故障した場合、スタンバイルーターは自動的にアクティブルータとして機能を開始し、その後トラフィックの処理を始めます。
HSRPの設定と優先度
HSRPでは、各ルータに優先度とプリエンプションの設定が可能です。
優先度は、アクティブルータの選出に影響を与えます。より高い優先度を持つルーターがアクティブルータとして選ばれる傾向があります。
またプリエンプションは、アクティブルータが再度復活した際に自動的に役割を引き継ぐ機能です。アクティブルータが復活した場合、アクティブルータがスタンバイルータよりも優先的に役割を引継ぐことができます。
HSRPのメリット
HSRPの主な利点は、NWの可用性や冗長性の向上する事です。
複数のルータを使用することで、シングルポイントでの障害を回避し、NWの信頼性をより高めることができます。
まとめ
HSRPは、NWの可用性や冗長性を確保するための重要なプロトコルです。
複数のルータをグループ化し、アクティブルータとスタンバイルータを選出する仕組みがある。アクティブルータがもし障害が起き使用できない場合、スタンバイルータがその役割を引き継ぎます。
NWの障害時にもサービスの中断を最小限に抑えることが可能になる。