今回はLinuxのユーザーアカウントを追加・削除するためのコマンドについて説明しようと思います。

まずLinuxはインストール時に必ずrootユーザー設定を行います。

そしてインストール後にrootユーザーでログインし、一般ユーザーを追加したり、設定変更を行ったりします。

まずユーザーを追加するためのコマンドとして「useradd」コマンドが有ります。書式及びオプションは下記になります。

※ユーザーアカウントの新規作成はrootユーザーしか権限が無いので、rootユーザーにログインしてから実行する必要が有ります。

useradd [オプション] ユーザー名

オプション

-d ディレクトリ名・・・作成するホームディレクトリを指定する。

-D・・・初期設定パラメータを表示・変更する。

-e 日付・・・アカウントを使用不可にする日付をYYYY-MM-DD形式で指定する。

-g グループID・・・プライマリグループを指定する。グループIDは1つのみで、既に存在しているグループを指定する。

-m・・・ホームディレクトリが無い場合は作成する。

-s シェル・・・ログインシェルを指定する。

-u ユーザーID・・・ユーザーIDを指定する。

上記コマンドやオプションによってユーザーアカウントを作成するのですが、ユーザーアカウントを作成する際は初期設定のパラメータが有ります。

初期設定のパラメータというのはホームディレクトリの作成位置やプライマリグループID、ログインシェルといったパラメータのことです。

useraddコマンドの初期設定パラメータは「/etc/default/useradd」というファイルに記載してありまして、「useradd -D」コマンドを使用することで上記ファイル内に記載してあるユーザーアカウント作成時の初期設定パラメータを表示、変更できます。

試しに仮想環境にて「useradd -D」コマンドを打ち込んでみると、下記画像のパラメータが表示されました。

それぞれパラメータについて下記に説明を記載します。

GROUP・・・プライマリグループのID

HOME・・・ホームディレクトリ作成位置

INACTIVE・・・パスワード使用期限後、アカウントが使用不可になるまでの日数

EXPIRE・・・アカウントが無効になる日付

SHELL・・・ログインシェル

SKEL・・・ホームディレクトリ内に初期配置するファイルのコピー元

CREATE_MAIL_SPOOL・・・メールスプールの作成

ちなみにこの初期パラメータを変更する際は-Dオプションに続いて変更したいパラメータのオプションを指定します。

例えば初期設定のプライマリグループIDを変更する際は下記のように変更します。

useradd -D -g 2000

上記コマンドを打ち込んで変更した後、再度「useradd -D」コマンドを打ち込むと下記画像のように初期設定のプライマリグループIDが変更されていることが分かります。

ちなみにユーザーを削除したい場合は「userdel」コマンドを使用します。こちらもrootユーザーにしか使用権限が有りません。書式及びオプションは下記になります。

userdel [オプション] ユーザー名

-r・・・削除対象ユーザーのホームディレクトリも削除する。

今回はアカウント管理コマンドである「useradd」コマンド及び「userdel」コマンドについて説明させていただきました。

他にもアカウントの設定変更を行うコマンドはあるので、機会があればまた調べて説明させていただきたいと考えております。

参考資料

・Linuxコマンド辞典 useraddコマンド（ユーザ/グループ管理） | すなりんブログ (kcfran.com)

・useraddコマンドについて詳しくまとめました 【Linuxコマンド集】 (eng-entrance.com)

・userdelコマンドについて詳しくまとめました 【Linuxコマンド集】 (eng-entrance.com)