ネットワークの基礎についてです。
CSMA/CD
CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)とはネットワークの通信方法のひとつです。
初期のイーサネットLAN接続で使われていた方式で、今ではほとんど使われていないレガシーな通信方法になります。
CSMA/CDを説明するには、「コリジョン」と「半二重通信」について知る必要があります。
コリジョンは簡単に言うとデータ同士の交通事故を指します。
通信途中のデータ同士がぶつかってしまう現象のことです。
半二重通信は例えると、車同士がすれ違えないような狭い道路を車が走るような通信方法です。
データを送信しているときは受信ができず、データを受信しているときは送信ができないような通信です。
この半二重通信はコリジョンが発生する可能性があります。
狭い道路から対向車が来るとぶつかってしまうのと同じで、データ通信もそのようなぶつかってしまうコリジョンが発生します。
そしてCSMA/CDはこのコリジョンを解消するための仕組みです。
次のような流れで処理をします。
①ケーブル上でデータが流れていないかを確認
②データの伝送を開始
③他の端末からデータの伝送を感知したので、受信体制に入る
このようにケーブル上でデータが流れていないかを確認してから互いのデータの送受信体制に入らせます。
ここで互いの端末が全く同時にデータを送信したとします。
この場合はコリジョンが発生してしまいます。
コリジョンが発生したら、ネットワークに存在するPCに「コリジョンが発生!」というジャム信号が送信されます。
ジャム信号が受け取られるとPCは送信を中断し、ランダムな時間を待って再び送信を行います。
ざっくりですが、これがCSMA/CDの仕組みになります。
半二重通信と全二重通信
半二重通信がコリジョン発生しうる仕組みなのに対し、全二重通信はそれを起こらないような通信方法になります。
全二重通信はお互いにデータの送受信を同時に行うことができます。
データの送信中にデータの受信も同時に行えます。
先ほどの道路の例で言うと、対向二車線でお互い車がすれ違えます。
AとBの間にスイッチングハブを中継し、送信するケーブル専用と受信するケーブル専用に分かれているのが特徴です。
なので、半二重通信で使用されていたCSMA/CDの仕組みは全二重通信では使用されません。
CSMA/CDも全二重通信も聴き慣れない用語ですが、ネットワーク通信の基礎になりますので、しっかり覚えておきたいですね。
■参考