Linuxではコマンドやファイル、ライブラリ、システムコールなどの機能に関してのマニュアルが用意されています。マニュアルを構成するファイルは/usr/share/manに置かれています。manコマンドは、「man マニュアルを表示したいワード」のように記述します。上の例ではlsコマンドのマニュアルを表示します。
manコマンドで呼び出されたマニュアルはlessコマンドと同様の形式で表示されるので、長いマニュアルでも「↑」・「↓」キーで上下にスクロールして見ることができます。表示を終了するにはqキーを押します。表示される内容としては名前、書式、説明、オプションなどが詳細に記されています。上の例ではlsコマンドのマニュアルを表示しています。
□マニュアルのセクション
manコマンドで表示できるマニュアルには同名で別の内容のものがあります。これらを区別するために用意されているのがセクションです。「man セクション番号 マニュアルを表示したいワード」のように記述することで指定したセクションのマニュアルを表示することができます。番号を指定しなかった場合は、数字が小さいものを表示するようになっています。セクション番号と内容は以下のようになっています。
1 Linuxコマンド
2 システムコール(カーネル関数)
3 ライブラリコール(システム関数)
4 スペシャルファイル
5 ファイルのフォーマット
6 ゲームやデモ
7 マクロ
8 システム管理用のコマンド
9 カーネルルーチン
上の例では、コマンドのpasswdとファイルのpasswdのマニュアルをそれぞれ表示しています。1行目にあるPASSWD(1)やPASSWD(5)で括弧内の数字を見ると現在表示しているセクションがわかります。
□manコマンドのオプション一覧
-a(--all) 対象のマニュアルを次々と表示する。
-d(--debug) デバッグ情報を表示する。
-k(--apropos) マニュアルの検索を行う。
-K(--global-apropos) マニュアルの説明文で検索を行う。
-P(--pager=PAGER) ページャーを指定する。
-C(--config-file=FILE) 表示設定用ファイルを指定する。