Linuxのアクセシビリティについて
ユーザがコンピュータの操作を補助するための機能としてアクセシビリティというものが存在します。
アクセシビリティ自体の意味は「使いやすさ、実用性」といった意味があります。
コンピュータにおけるアクセシビリティとは手や指の操作に不自由がある人のために、不自由さを解消するための機能のことを指します。
例えば、
・指に不自由があるためShiftキーと他のキーを同時に押せない
・目に不自由があるため、画面の表示が見えない
こういった障害を持つ人を支援するためのソフトウェア技術が組み込まれています。
以下のようなアクセシビリティがあります。
・音声認識
音声入力をコンピュータが認識し、文字に変換したり操作を行う
・ハイコントラスト
スクリーンの表示色を反転したり、コントラストを強調して見やすくする
・スクリーンリーダー
スクリーンに表示された文字を読み上げる
・点字ディスプレイ
文字データを点字に変換して専用文字ディスプレイに出力
・スクリーン拡大鏡
スクリーンの一部を拡大して表示
・オンスクリーンキーボード
キーボードスクリーンに表示してマウスで文字の入力を可能にする
・キーボードアクセシビリティ
キーボードやマウス操作に問題がある人でも操作しやすくなる
このうちキーボードアクセシビリティについて説明します。
キーボードのアクセシビリティ
キーボードやマウスの操作において不自由がある人を支援する機能をキーボードのアクセシビリティといいます。
以下のような機能が存在します。
・スティッキーキー
修飾キー(Shift、Ctrl、Alt、fn)の後に入力したキーを同時に押したとみなす
(2つ以上のキーを同時に押せないユーザーのため)
・スローキー
所定の時間、キーを押し続けないと入力を認識せず無視する
(指のマヒなどで正確にキーを押すことが困難なユーザーのため)
・バウンスキー
同じキー入力は一定時間無視する
(震えなどで意図せず何度も同じキーを押してしまうユーザーのため)
・トグルキー
NumLock、CapsLock、ScrollLockキーがオンだと1回、オフだと2回ビープ音が鳴る
(LEDランプが見えないユーザーのため)
・マウスキー
マウスデバイスの代わりにテンキーを使ってマウスポインタを操作する
(マウスデバイスの操作が難しいユーザー)
・リピートキー
所定の時間、キーが押されていなければキーがリピートしない
(キーを押した後すぐに指を離せないユーザーのため)
補足:
リピートキーは同じキーを押し続けてしまうユーザーのために、キーを押し続けてもリピート入力で同じ文字が出力されないで済む機能です。
例えば、「A」のキーを指を離さずに押し続けると「あああああああああああああああ」のように連続して文字が出るリピート入力がされてしまいます。
それを防ぐために所定の時間を秒数を決めて、その決めた秒の間はリピート入力が行われないような設定ができます。
スローキー、バウンスキー、リピートキーの違い
個人的にこの3つの違いが分かりづらいと感じたので、
・スローキー
タイピングをスローにする
(キーをゆっくり押し続けないと反応しないから)
・バウンスキー
タイピングをバウンスしないようにする
(バウンスとは「弾む」「バウンド」という意味なので同じキーを弾むように連打しないようにする)
・リピートキー
タイピングをリピートしないようにする
(キーを押し続けて同じ文字をリピートしないから)
■参考