今回は、Azure Filesについて、ご紹介いたします。
Azure Filesは、Azure Storageサービスの一つであり、フルマネージドのクラウドファイル共有サービスです。業界標準のSMBプロトコルを利用して保存データや転送中のデータを保護しているため、シンプルで安全なファイルストレージとして利用できます。
※SMBプロトコルとは
SMB(Server Message Block)とは、Windowsのネットワーク機能で利用される仕様で、LAN上の他のコンピュータで共有設定されたファイルやフォルダを読み書きできるファイル共有、他のコンピュータに接続されたプリンタにアクセスして印刷するプリンタ共有などを実現することができます。
Azureには、データによって保存するストレージを変えていますが、Azure Filesでは名前の通り、ファイル共有用のストレージです。
次にAzure Filesを使うメリットと機能について説明していきます。
□Azure Filesを使うメリット
Azureのクラウド上にファイルを保存する方法として、Azure BLOBやAzure Disk Storageもありますが、ファイル共有を目的とする場合はシンプルさの観点でAzure Filesを使うことが一番簡単です。
Azure BLOBに保存したデータにアクセスするためには、RESTベースのプロトコルを通してアクセスしなければいけません。また、Azure Disk Storageは仮想マシンにアタッチする必要があり、ファイル共有サーバーとして構築する必要があります。Azure Filesは業界標準のSMBでアクセスできるため、サーバーレスでファイル共有を可能とします。また、Windows,LinuxまたはmacOSといったOSからでもアクセスすることができます。
□Azure FIles を使ってできること
・オンプレミスのファイルサーバーから移行
オンプレミスののファイルサーバーやNASからデータを簡単に移行できます。また、データによって、
オンプレミス環境から完全に移行するだけでなく、Azure Filesとの併用することもできます。
※NASとはネットワークに接続された記憶装置という意味で、ネットワーク(LAN)上に接続することができるハードディスクのことです。
・リフトアンドシフト
従来のシステムをクラウド化し、運用、管理をクラウドに適用することができるようになります。
アプリケーションとアプリケーションデータの両方をクラウドに移動させることも、アプリケーションデータのみをAzure Filesに移動しアプリケーションをオンプレミスで動作させるハイブリッドな環境も実現できます。
別の記事で記述したBLOBストレージなどもストレージという枠組みでは同じですが、保存するデータによってストレージを使い分け、各ストレージにメリットが存在するので、利用目的とメリットを考えて保存していきましょう。
【参照】Azure File Storage / Azure Filesとは?概要や利用シーンを解説|コラム|クラウドソリューション|サービス|法人のお客さま|NTT東日本 (ntt-east.co.jp)