今回は、ルーティングプロトコル「EIGRP」についてご紹介していきます。
「EIGRP」は、シスコ独自のルーティングプロトコルです。ディスタンスベクタ型とリンクステート型の両方の利点を備えているのでハイブリッド型(拡張ディスタンスベクタ型)ルーティングプロトコルと呼ばれています。
【EIGRPの特徴】
〇ハイブリッド型ルーティングプロトコル
ハイブリッド型は、ディスタンスベクタ型のように自身の持っているルーティングテーブルをアップデートとして送ったり、リンクステート型のように素早いコンバージェンスが可能となったりと両方の利点が合わさった特徴を持っています。
基本的には、ディスタンスベクタ型として動作していますが、RIP(ハイブリッド型)とは違い、リンクステート型のように隣接機器のステータス情報などの確認が可能となり、ネットワーク障害が発生した際には、素早く検知することが可能です。また、すべてのルータで同じ情報を共有するのではなく、必要な情報のみ保持したり、ネットワーク変更時には差分情報のみ送信することで、収束時間の短縮にもなります。
〇メトリック
目的までの最適ルートを表すメトリック値には、「帯域幅」「遅滞」「負荷」「信頼性」「MTUサイズ」5つの要素を採用しています。管理者が5つの要素から自由に選択できますが、通信させるルータすべて同じメトリックを使用しなければいけません。
〇VSLMに対応している
サブネットマスクの情報をルーティングアップデートに含めることのできるクラスレスプロトコルなので、1つのネットワークに異なるサブネットが存在しているネットワーク環境でも対応できます。
〇Cisco独自のルーティングプロトコル
EIGRPは、大規模ネットワーク上でも利用可能なので、メリットが大きいですが、Cisco独自のルーティングプロトコルのため、Cisco製品のルータ同士でしか利用できない制約があります。
以上、ルーティングプロトコル「EIGRP」についてでした。
参考にしていただけると幸いです。
■参考資料
https://www.n-study.com/eigrp-detail/eigrp-overview/