Microsoft 365導入案件では、ほとんどの場合組織のカスタムドメインを登録します。
その際に、躓きやすく早めに確認を済ませておくべき項目について記述します。

• セルフサインアップにより作成されたテナントが存在するか
  

現在、Microsoftが提供する多くのサービスでバックグラウンドでAzure AD（Microsoft 365）が使用されるようになっています。
そのため、ユーザーがサービスを利用する際に自動でにカスタムドメインが登録されたAzure ADテナントが作られる動きをすることがあります。
カスタムドメインは複数のテナントで同一のものを使用できないため、このようなテナント（セルフサインアップテナントと呼ばれます）が存在する場合、テナントからカスタムドメインを削除する必要があります。
この作業は
・DNSレコードの変更によるドメインの所有者であることの確認
・管理者アカウントの作成
・登録されているカスタムドメインの削除
といった少し面倒な作業が必要なため、早めに作業の要否を確認しておくことで導入がスムースに出来ます。

参考資料：
セルフサービス サインアップで登録されたドメインの対処方法
https://social.msdn.microsoft.com/Forums/ja-JP/9bace4c5-c588-4fe6-b778-340f75594c28/12475125231250112469125401249912473?forum=exchangeteamjp

• DNSプロバイダーで対応しているレコードの種類
  

Microsoft 365のサービスを利用するには複数のDNSレコードの登録が必要になります。
しかし、登録するドメインが利用しているDNSプロバイダーによっては必要なレコードの種類が対応しておらずサービスの利用に支障が出る場合があります。
この場合、DNSプロバイダーの移管をする必要がありサービスを利用できるまでに思わぬ時間がかかってしまう場合があるため、
導入する組織のDNSプロバイダーが対応しているか先行して確認するようにしておくと良いです。

主に必要なレコードの種類
・MXレコード（Exchange）
・TXTレコード（Exchange）
・CNAMEレコード（Exchange、Teams、Intune）
・SRVレコード（Teams）

参考資料：
DNS プロバイダーで特定のレコードの種類がサポートされない場合はどうなりますか?
https://docs.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/admin/setup/domains-faq?view=o365-worldwide#what-happens-if-my-dns-provider-doesnt-support-certain-record-types