★初めに★

近年、IoTと呼ばれる技術が注目を集めています。IoTとは、電子レンジや冷蔵庫、自動車など、様々なモノをインターネットに接続する技術のことです。そこで、今回はこのIoT向けの無線通信技術であるLPWAについて紹介したいと思います。

★LPWAとは★

低消費電力で広域の通信を可能にする無線通信技術のことです。

無線通信技術の種類には、Wi-Fi、Bluetooth、4Gなどが主流であると思います。しかし、これらの無線通信は、通信速度を優先として発展してきた技術のため、多大な電力を消費してしまい、広範囲の通信には向いていません。それに比べて、LPWAは通信速度は劣るものの、低電力で長距離の通信が可能なのです。

なぜ、LPWAがこのような特徴を持っているのかと言うと、IoT向けに作られた技術だからです。IoTで活用される技術には、省エネ性、無線、運用コストの低さなどが挙げられているからです。

★LPWAの特徴★

1.広域かつ長距離通信

具体的な通信距離は最大で50Km程度だといわれています。Wi-FiやBluetoothなどの通信距離はは200～300m程度なので、圧倒的な通信距離を誇っています。

2.低消費電力

スマートフォンをWi-Fiに接続して接続して利用すると、電池の減りの速さを実感すると思います。しかし、LPWAの場合は数年以上、持つと言われています。

LPWAが上記の内容を実現することが出来るのは、低ビットレートであるからです。

例えば、LTEが最大で320Mbps程度であるのに対し、LPWAは、250Kbps程度です。通信速度等は劣りますが、通信処理はシンプルなため、接続可能な台数を増やすことが出来ます。

LPWAが上記の特徴を持っているのは、低ビットレートであることが挙げられます。LTEのデータ伝送速度が、320Mbps程度であるのに対して、LPWAは、250Kbps程度です。通信速度が劣るというデメリットもありますが、シンプルな通信処理によって、接続可能な台数を増やすことが出来ます。

★LPWAの規格★

1.LoRa

LoRaは、およそ8Km程度の長距離の通信をを低い出力の電波を使用して可能にします。この特長を活用して、ゲートウェイを介して、IoT機器をスター型に無線接続し、ネットワークを構築します。スター型を活用する理由は、機器同士を繋げるメッシュ型のネットワークトポロジーに対して、消費電力を抑えられるからです。

2.SIGFOX

SIGFOXは、フランスの通信事業者「SIGFOX」が提供しているIoT向けに特化した通信規格です。SIGFOXの特徴は、小さなデータを免許不要の周波数帯を利用して、遠距離まで送信することが出来ます。端末～基地局までの上りの通信は、100bps、下りの通信は、600bpsと非常に低速な通信を行います。

3.NB-IoT

LTEの標準を定めている３GPPが2016年に公開した「Release13」仕様で新たに定義されました。NBとはNarrow Bandの略で狭い周波数帯という意味があります。スマートフォンなどで利用されるLTEの帯域が5MHz～20MHzであるのに対して、NB-IoTが使う帯域は180KHｚ幅と非常に狭い帯域となっています。

★終わりに★

今回は、LPWAの特徴と規格について説明しました。今後、IoTの技術が浸透するにつれて、LPWAの技術もまた発展していくでしょう。LPWAの技術は利便性に富んでいますが、当然デメリットもあります。それは、移動中や遮蔽物がある場所での通信が困難であるという点です。これらのデメリットを改善するための策を見つけ出すことが重要になってくると思われます。

以上です。ありがとうございました。